講演情報

[1H-04]GPT-4oを利用したiPad向け学術論文読解支援アプリの実装

*堺 陸斗1、金澤 輝一2、上野 史3、太田 学3 (1. 岡山大学大学院環境生命自然科学研究科、2. 国立情報学研究所コンテンツ科学研究系、3. 岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

学術論文、読解支援、リーディングルーラー、言い換え、GPT-4o

学術論文には未知の専門用語や新たな概念が頻繁に登場する.そのため,我々はChatGPTを用いて論文から抽出した重要情報を論文PDFの周辺に提示する学術論文読解支援手法を提案した.しかし,その手法ではWebブラウザの制約により,PDF上のテキスト情報や表示位置を直接利用した読解支援が行えなかった.本稿では,iPad向けに提案する学術論文読解支援アプリについて,支援手法およびその実装方法を述べる.
本アプリでは,定規を模したリーディングルーラーを用いて,PDF内のテキスト情報を参照し,読者が読んでいる文を検出する.そして検出した文を利用して,ユーザが理解しにくいと判断した文の言い換えや,集中して読んだ一定量の文章を振り返るための要約文を生成することで,読解を支援する.これにより,個々の読者の必要に応じた動的な支援の実現を目指す.また,GPT-4oを利用することで,多言語に対応したアプリを実装する.実験では,本アプリ,紙面,およびiPadの標準PDFビューアを用いて,被験者に日本語論文と英語論文を1本ずつ読ませ,論文内容の理解度および本アプリの使用感に基づいて,本アプリが論文読解を支援できたかを評価した.