講演情報

[14a-K502-7]異常高原子価ペロブスカイト酸化物人工超格子におけるリガンドホール磁性金属状態の不安定性

〇相馬 拓人1、本田 裕貴1、新津 甲大2、望月 泰英1、べ ソンミン3、吉松 公平1、組頭 広志4,5、大友 明1 (1.科学大物質理工、2.物材機構、3.東北大金研、4.東北大多元研、5.KEK物構研)

キーワード:

異常高原子価、リガンドホール、人工超格子

複酸化物では単酸化物では実現できない遷移金属の異常高原子価状態を安定化できる。この異常高原子価状態では,遷移金属の3d軌道と酸素の2p軌道のエネルギーレベルが近いため強い共有結合性を示し,酸素側にもホールが配置される(リガンドホール)。それは強い金属-リガンド相互作用を実現し,多彩な磁性金属状態を生み出す。一方で,銅酸化物やNi酸化物における高温超伝導でもその相互作用の重要性が指摘されており,二次元的なリガンドホールを形成することで高温超伝導体と類似した電子状態を実現できると提案されている。これまでに絶縁体のブロック層と異常高原子価の伝導層を用いた人工超格子でその試みがなされてきたが,全て絶縁体へと転移し研究が妨げられてきた。そこで本研究では,これまでに行われていなかったリガンドホール金属同士の人工超格子を作製することで,その電子状態の変化を検証した。