講演情報

[14p-K305-10]単一キラル金属ナノ構造をプローブとして用いた光の軌道角運動に基づく光学的キラリティの探究

〇橋谷田 俊1、田中 嘉人1 (1.北大電子研)

キーワード:

光渦、円偏光、optical chirality

物質のキラリティは、キラルな物質や場との非対称な相互作用を通じて識別される。円偏光(スピン角運動量 s = ±1)はキラルな場であり、キラル物質との相互作用によって円偏光二色性(CD)が観測される。CDは主に電気双極子や磁気双極子モードに起因し、スピンに基づくoptical chirality (スピンOC)に依存する。本研究では、軌道角運動量( l )を持つ光渦とキラルな金ナノロッドダイマー(TND)の相互作用を解析した。円偏光光渦ビーム(s = ±1, l = ±1)を用いた実験において、光渦ビームの中心においてスピンOCでは説明できないTNDの螺旋二色性(HD)信号が観測された。この結果は、HDがキラリティの新たな物理パラメーターである軌道OCに依存することを示唆している。