講演情報
[15p-K201-8]石英ガラス内部におけるフェムト秒レーザー誘起屈折率変化機構
〇下間 靖彦1、坪根 未空1、河野 義生2、清水 雅弘1、三浦 清貴1 (1.京大工、2.関学理)
キーワード:
石英ガラス、緻密化、超短パルスレーザー
石英ガラスは、耐熱性や透明性等、その優れた特性から現代社会を支える基盤材料の一つである。一方で、ガラスの構造は不規則であり、非平衡状態にあるため、その物性は仮想温度によって変化する。特に、一般的なガラスとは異なり、石英ガラスは、仮想温度の上昇に伴って、体積は減少、密度は増加する。我々はフェムト秒レーザーを石英ガラス内部に集光照射することによる局所的な超急冷状態を利用して、構造緻密化(タイプI)、空孔欠陥の自己組織化(タイプII)等の多彩な構造変化を明らかにしてきた。最近、高圧下での石英ガラスの配位数や密度が変化することが明らかになった。本研究では、高圧処理およびフェムト秒レーザー照射によるガラスの構造変化を放射光X線回折測定により評価した。特に、フェムト秒レーザー照射では、衝撃波発生をトリガーとする緻密化機構に加え、局所的な超急冷による仮想温度の変化の寄与が考えられたので報告する。