講演情報

[16p-K508-3]過程・因果・非可換確率:圏構造からオフシェル科学へ

〇西郷 甲矢人1 (1.長浜バイオ大学)

キーワード:

ドレスト光子、因果性

本講演においては、これまで抽象的に扱われてきたこの「因果的圏」として物理学的にどのようなものを考えるべきか明らかにする。
出発点は系、環境、それらの合成系、その合成系の環境=「メタ環境」といった基本概念を踏まえて、「可能な過程のなす圏」を考えることである。この圏からは「因果性の圏」が定まる。因果性の圏は、「これがないとき、これがない」という関係性を、「因果的条件」とでもいうべき「媒介」をなす過程の集まりを通して定式化した「因果性」を射とする圏である。一般に圏は、「ダガー圏」とよばれる対合構造を持つ圏の部分圏として考えられ、この「因果性の圏」とそれをつつむダガー圏の対は「因果的圏」となる。このような因果的圏を、オフシェル科学にとっての時空として捉えることを提案したい。