講演情報
[17a-K402-9]黄金の蝶々型ナノデバイスを用いた液液相分離液滴の生成消滅制御・応用展開
〇(PC)延山 知弘1、高田 耕児2、山田 洋一3、村上 達也2、白木 賢太郎3 (1.京大院生命、2.富山県立大院、3.筑波大数理)
キーワード:
金ナノ粒子、相分離生物学、ナノバタフライ
タンパク質やDNAなどの生体高分子が複数の液相に相分離する液液相分離(LLPS)という現象が、近年生体内でも報告されている。生細胞内のタンパク質形成・複数の酵素による連続反応・ストレス応答・疾患の発生等の高度なふるまいの物理学的基盤として、LLPSにより生体高分子が濃縮された液滴構造の生成消滅が共通してみられる。すなわち、液滴生成消滅を制御する技術は次世代細胞工学の一大ターゲットである。本研究では蝶々型の金ナノ粒子(Gold Nano-butterfly, GNB)を開発し、液滴前駆体を蝶々のくぼみにはめ込むことで液滴成熟を促進・光線温熱効果によって液滴を消滅させる手法を確立した。世界初の液滴ダイナミクス制御技術であり、工学的に生体分子のLLPSを制御する相分離工学の幕開けである。