講演情報
[17p-K404-1]ディップコート法による高誘電率ポリマー薄膜の作製と有機トランジスタの低電圧動作
〇栗原 一徳1、日下 靖之1 (1.産総研)
キーワード:
有機半導体、高誘電率絶縁膜、溶液プロセス
これまで我々は高誘電率ポリマーを簡便な溶液プロセスで製膜し、有機トランジスタの絶縁膜として利用可能であることを示した(第85回応物:18a-B6-10)。しかし製膜にドロップキャストを利用したためバラつきが大きい課題があった。そこで本研究ではディップコートを採用し、均一性の高い高誘電ポリマー膜を作製することを目指した。高誘電高分子としてp-VDF系ターポリマーを利用し良溶媒としてアセトン、貧溶媒としてIPAを用いて混合溶媒でディップコートを行った。飽和溶液では基板との濡れが悪く均一な膜が得られなかった。そこで、アンカー層を導入し濡れ性を改善した。これにより比較的均一な約2 µm厚の膜が得られ、絶縁膜としてトランジスタでは駆動電圧20 Vでオンオフ比が2桁のトランジスタ特性が得られた。