講演情報
[17p-K503-6]AIを利用したAg/Si(111)-(7x7)表面での室温原子操作
奥山 純矢1、刁 琢1、山下 隼人1、〇阿部 真之1 (1.阪大院基礎工)
キーワード:
原子操作、走査型トンネル顕微鏡、AI
室温での走査型プローブ顕微鏡(SPM)による原子操作実験は、従来の極低温環境下での実験では観測できなかった、原子の熱励起による動的な振る舞いや、周囲環境との相互作用を直接的に研究できる可能性がある。これにより、表面における原子・分子の吸着・拡散メカニズムの解明や、化学反応の遷移状態の直接観察など、基礎科学的に重要な知見の獲得が期待できる。しかしながら、熱によるドリフトや探針先端の変化などの影響が大きく、長時間の実験を継続することは技術的に困難であった。本発表では、AIを用いた原子操作実験について報告する。 実験はAg原子が蒸着されたSi(111)-(7x7)表面上で、走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて行った。Ag原子を隣接するHUCに移動させるために、探針をHUC境界に近づける手法を利用した。熱ドリフトの補正および探針先端の修復は、過去に行ったAIによる手法を用いた。