講演情報

[スポーツ文化-B-12]アンチ・ドーピングに関するクリーンスポーツビヘイビアの在り方(政,社)我が国のオリンピックメダリストを事例として

*清水 美咲1、尾縣 貢2、清野 隼3,4 (1. 公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構、2. 筑波大学大学院人間総合科学研究科、3. 桐生大学短期大学部、4. 筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センター)
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本研究は、International Standard for Educationが示すクリーンスポーツという概念に対して、我が国のオリンピックメダリストが持つ認識・振る舞いに影響を与えた人物や、影響を与えた経験を明らかにすることを目的とした。対象者は、アンチ・ドーピング規則違反のない、我が国の多種目における男女オリンピックメダリストであることを条件として設定した。なお、性別および調査実施時に競技を継続しているか否かは、本研究目的に影響を与えない条件として捉え、特に属性として定めないこととした。調査方法は、半構造化インタビューとし、事前に作成したインタビューガイドを基に実施した。得られた質的データは、KJ法を用いて分析し、分析の問いを「クリーンスポーツに対する認識・振る舞いに影響を与えたこととは」とした。なお、明らかになった認識・振る舞いを、本研究では「クリーンスポーツビヘイビア」と捉えることとした。分析の結果、180の逐語から98のコードが抽出され、さらにそこから46の下位カテゴリ、17の中位カテゴリ、8の上位カテゴリが生成された。我が国のオリンピックメダリストのクリーンスポーツビヘイビアは、幼少期に受けた教育や周囲からの声かけであることが明らかとなった。また、クリーンスポーツの認識の中にはアンチ・ドーピングが多く占められ、ドーピングをしたことによる他者からの捉え方や、違反事例へ関心が高いことも示された。結論として、クリーンスポーツビヘイビアの習得には、幼少期からの教育が大きく関わっていることが示唆された。一方で、オリンピックメダリストの教育については、倫理的な教育のみならず、違反事例を基にした実践的な内容に移行する余地があると考えられる。

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