講演情報

[スポーツ文化-B-15]ダンス指導者の指導スキルの評価方法に関する一考察(教,心)全国ダンススタジオの指導者への質問紙調査の結果から

*安達 詩穂1、渡辺 碧2、八木 ありさ2 (1. 朝日大学、2. 日本女子体育大学)
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【問題】本研究におけるダンスとはモダンダンスおよびコンテンポラリーダンスを指す。これらのダンススタジオの指導者に対する指導スキルの評価方法がないことが本研究の問題意識である。よって全国ダンススタジオの指導者への質問紙調査を通じて「ダンス指導スキル尺度」の有用性を確かめることを研究目的とした。【方法】ダンス関連の資格認定カリキュラム等を基に「ダンス指導スキル尺度」32項目を作成した。これに郵送法でダンス指導者に5件法で回答を求め、因子分析を行った(方法1)。同時にダンス指導者に必要なスキルや経験について自由記述調査を行った。これはKJ法を参考に分析し、舞踊学の専門知識を有しダンススタジオでの指導経験のある研究者と議論をしながら、カテゴリー名を命名した(方法2)。【結果】回答率は21.6%(87/403名)で、「ダンス指導スキル尺度」の因子分析の結果、第1因子は「外傷・障害予防のために身体のコンディショニングを指導できる」「生徒が怪我をした時、適切な対応ができる」「正しい身体の使い方、姿勢、アライメントを指導できる」等の専門的知識と「振付をすぐに正確に踊ることができる」「指導計画を立てた上で指導をしている」等の記憶力、思考力の項目で構成されたため、「知識・記憶力・思考力因子」と命名した。第2因子は「自分の芸術的センスや“自分ならでは”の踊り(あるいは作品、振り付け)を提供できる」「生徒の年齢やレベル、雰囲気などにあった音楽を選曲できる」等の項目で構成されたため、「実践的なダンス指導力因子」と命名した(結果1)。自由記述調査では、記述された数を重要度とみなすと、6カテゴリーが「実技スキル」「指導スキル」「社会人基礎力」「知識・理論」「思い・信念」「挫折」の順に重視されていた(結果2)。これらの結果を比較、分析し、「ダンス指導スキル尺度」の精度を高めていくことが今後の課題である。

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