講演情報

[競技スポーツ-A-07]女子100mハードルインターバルタイム分析(測)12秒台から18秒台を対象として

*木村 加乃1、後藤 悠太2、欠畑 岳2、礒 繁雄2 (1. 早稲田大学スポーツ科学研究科、2. 早稲田大学スポーツ科学学術院)
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【緒言】女子100mハードルの研究ではこれまでに、国内外主要大会の女子100mハードル選手を対象としたレース分析が行われてきた(貴嶋ほか,2018;貴嶋ほか, 2020)。一方で、未熟練者(高校女子など)のレース分析を明らかにした研究は少なく、幅広い競技レベルのレース分析を比較した研究はほとんど見られない。そこで本稿では12秒台から18秒台の記録をマークした選手を対象にレース分析を実施し、競技レベルとインターバルタイム間の関係を明らかにすることを目的とした。 【方法】2000年から現在までに開催された陸上競技大会での女子100mハードルのレースを対象に公的に利用可能であるインターネットブロードキャストから取得したレース動画を使用した。既存のデータ動画を基にQuickTime Playerでのフレーム数を使用し定量的指標(歩数・所要時間)のみを抽出し、各区間の所要時間の平均値の差を検証するために、一元配置分散分析を行い、その後多重比較としてBonferroni法を用いた。有意水準は5%未満とした。対象レースは計53レースとし、14秒台(20名)、15秒台(12名)、16秒台(9名)、17秒台(12名)とした。 【結果と考察】14秒台から17秒台の対象者におけるインターバルタイムの経時的変化は、2台目から6台目の間に最短タイムが出現し、その後中盤および後半にかけてタイムが増加していた。また、3台目から8台目の各インターバルタイム(5区間)では、14秒台、15秒台、16秒台、17秒台の順で有意にインターバルタイムが増加していた。以上から練習段階で3台目から8台目のインターバルタイムを測定することで、目標とする記録を推察する基準が明らかになる。このことは、指導者が選手に伝える数値として有用になる可能性が示された。

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