講演情報

[競技スポーツ-A-25]主成分分析を用いた運動技術の検討(バ)やり投げを対象として

*西山 健太1 (1. 周南公立大学)
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運動は身体各部の要素的な動作が相互に関係しながら、身体全体の一連の動作として統合されることによって成立している。したがって、要素的な動作の全てについて個別に検討することは運動全体を理解することと同義ではない。運動全体を把握し、動作技術の改善に資する資料を得るには、要素間の関係性を踏まえた包括的な評価が必要である。多変量解析の一つである主成分分析は、多次元の変数を情報の損失を最小限に抑えながらより低次元の主成分へと合成する手法である。これにより、互いに相関する複数の変数の特徴は主成分へと要約される。近年、主成分分析のこうした性質は、運動動作を包括的に評価する手法としても利用される。運動が要素的動作の相互関係の上に成立しているならば、身体各部における運動学的変数の時系列データを対象として主成分分析を行うことで、一連の動作を主成分として抽出することができるはずである。こうして抽出された主成分とパフォーマンスとの関係を検討することで、運動課題の解決に貢献する一連の動作、すなわち、運動技術を明らかにすることができると考えられる。そこで本研究では、やり投げの投てき動作について、主成分分析を用いた動作技術の検討を行うこととした。そのために、男子大学生やり投げ選手30名の投てき動作について動作解析を行った。動作解析の結果から、主要な関節運動20個を分析項目として算出し、各分析項目は0 – 100%の101個からなる時系列データに分割した。こうして得られた30×2020(関節運動20個×時系列データ101個)からなるデータセットに対して主成分分析を実施し、抽出された主成分のうち、とくにパフォーマンスとの関連が強い主成分について特徴を検討した。

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