講演情報

[競技スポーツ-A-29]利き眼とバッターボックスの一致性が打撃パフォーマンスに及ぼす影響(測,生,バ)

*加藤 雄一郎1、綾部 康平2 (1. 平成国際大学、2. ミズノスポーツサービス(株))
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【緒言】「利き眼」は,非利き眼に対し,視覚入力に対応する視覚野の面積が広いとされている(北澤ら, 2015)。このことから,野球のバッティングにおいて球筋を見るのに「利き眼」が重要な役割を担っていると考えられる。そこで本研究の目的は,利き眼とバッターボックスの一致性が打撃パフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることであった。【方法】対象者は,硬式野球部に所属する男子学生20名であった。バッターボックスで利き眼が前に来る方を一致群(10名),後ろに来る方を不一致群10名とした。利き眼は,Mills法を用いて判別した。実験課題は,ピッチングマシン(MIZUNO社製, 2MA-801)から投げられたボールをセンター方向に向かってバッティングするものであった。球種はストレート(140 km/h)5球,カーブ(110 km/h)5球であり,計10球をランダムな順序で投げた。打撃パフォーマンスは,センターを中心に 30 度おきに得点化した(0±15˚, 3点; 左右15~30˚, 2点; 左右30~45˚, 1点; ファールゾーンまたは空振り, 0点)。【結果】利き眼テストの結果,右利き眼が15 名,左が 5 名であり,右バッターボックスが 13 名,左が 7 名であった。両群における打撃パフォーマンス得点について,2要因混合分散分析を行った結果,群の違いに有意な主効果が認められたが,その他の主効果,交互作用は有意ではなかった。つまり,打撃パフォーマンスは,一致群(6.9点)の方が不一致群(5.6点)よりも有意に大きかった。【考察】これらの結果から,バッターボックスにおいて利き眼が前に来る方が打撃パフォーマンスがよくなることが示唆された。利き眼が前に来る方が球筋をよく情報処理できていると考えられる。

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