講演情報

[競技スポーツ-A-31]認知能力向上システム(MOT)と様々な認知評価テストおよび巧緻性運動能力との関係(方,心)

*天野 勝弘1、浦 佑大3、小林 咲里亜2 (1. 環太平洋大学スポーツ科学センター、2. 帝京科学大学、3. 環太平洋大学)
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MOT(Multiple Objective Trackingの略)は多物体追跡システムをベースに筆者らが開発した認知能力向上アプリケーションである。MOTに先立ち、カナダにおいて多物体追加システムを用いたアプリケーション(ニューロトラッカー:NT)が開発されており、このトレーニングが認知機能の向上をもたらすことが報告されている(Faubert, J. et al., 2012, Parsons, B. et al., 2015 他)。MOTのスコアはNTのスコアと高い相関関係(p<0.001)があることから(天野他、2022)、MOTはNTと同様の効果があると考えられる。しかし、MOT独自の効果についての検証はこれからである。そこで本研究では、MOTと様々な認知評価テスト、トレイルメイキングテスト(TMT)、ストループテスト、巧緻性運動能力など、とを比較することにより、MOTの特徴を明らかにすることを目的とした。8名の大学生にMOTを2セッション行わせ、よい方をMOTの送付スコアとした。TMTは25個のランダムに表示された数字を小さい方から順番に答えるもので、完了までの時間を測定した。このテストはPCモニターに表示されるソフトで行われた。これを連続10回行ったときの平均(1シリーズ)をTMTのスコアとした。両者の相関をとったところr=0.606となり有意性は認められなかった(p=0.11)。また先行研究において、NTとストループテストには相関が認められ(体育学会、2023)。今後の課題として、MOTトレーニングとTMTトレーニングとの関係を明らかにしたい。というのも、TMTを1名の被検者に2週間、60シリーズ行わせたところ、初期値38.6秒から終末値は27.3秒に向上したことから、TMTにもトレーニング効果があると考えられるからである。

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