講演情報

[競技スポーツ-A-38]高校野球部員のウォームアップ実施内容の選択に知識や体力測定データが及ぼす影響(測,生)

*塩多 雅矢1 (1. 東京学芸大学)
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【背景】部活動は「生徒の自主的、自発的な参加」(文部科学省、2018)を前提に、「生徒の主体性を尊重しつつ、各活動の目標、指導の方針を検討、設定する」(文部科学省、2013)運営が求められている。阿羅(2017)は、部員の主体性を促す部活動運営の共通項に、「部員に決定権」や「指導者からの専門的な知識や情報を部員に提供」などを挙げている。これらは指導者に対するインタビューより得られたもので、専門的な知識や情報と部員の決定の関係や具体的な事例を示していない。そこで本研究では、高校野球部員が実施するウォームアップにおいて、指導者からの知識の伝達や体力測定から得られるデータが、部員のエクササイズ選択に及ぼす影響を調査することを目的とした。
【方法】男子高校野球部員28名を対象とした。調査は、①エクササイズ説明後(PRE)、②知識伝達後(POST1)、③体力測定後(POST2)の3回に渡り、ウォームアップで実施するエクササイズを選択させ、その選択に対する満足度を10段階で自己評価させた。自己評価は10段階で行い、②と③では満足度の変化理由について自由記述を実施した。群間の比較には一元配置分散分析を、下位検定にはTukey-Kramer法を用いた。有意水準は5%とした。自由記述は特徴的な発言を抜粋し考察した。
【結果】満足度の得点はPRE:4.64±1.25、POST1:6.82±1.28、POST2:8.54±0.92であり、すべての群間に有意差が見られた。
【考察】自己調整学習(自己調整学習研究会、2012)において、予見段階の課題分析を「既有知識から個人の方略をつくる」こと、遂行段階の下位項目にセルフモニタリングを挙げていることから、知識や体力測定による自己認識が各自の学習の自己調整を促し、エクササイズ選択に対する自己評価を高めたと考えられる。

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