講演情報
[競技スポーツ-A-17]サッカーにおける異なる年代及び習熟度での突破のドリブル動作様式の特性(方)
*多賀 健1 (1. 苫小牧工業高等専門学校)
本研究の目的は,サッカーにおける異なる年代及び習熟度でのマシューズフェイントの動作様式の特性を明らかにすることである.実験参加者は,サッカー部に所属する大学生15名,運動部に所属するサッカー競技経験がない大学生13名,サッカークラブに所属する中学2年生16名,運動部に所属するサッカー競技経験がない中学2年生14名であった.測定は,スプリント走とマシューズフェイントを行い,それぞれの動作様式を比較検討した.マシューズフェイの準備局面では,守備者との間合いにおいて,いずれの群間においても有意差は認められなかった.マシューズフェイントの主要局面では,ステップ時の支持脚最小膝関節角度は大学生上級者群がその他の群より有意に小さかった.ステップ時の支持脚最小膝関節角度時における支持脚足関節は,大学生上級者群がその他の群より斜め後方にあり,その際の支持脚はサッカー上級者群がサッカー初級者群より進行方向だけでなく,横方向に有意に傾いていた.ステップ時のX軸方向における体軸最大傾斜角度は,サッカー上級者群の方がサッカー初級者群より有意に傾いていた.ステップ後の支持脚最大膝関節伸展速度も大学生上級者群がその他の群より有意に大きかった.マシューズフェイントの終末局面では,身体重心速度は大学生上級者群がその他の群よりも有意に速かった.さらに,両フェイントの3回の試技における各計測項目の標準偏差では,全ての計測項目において,大学生上級者群はサッカー初級者群より有意に小さかった.以上のことから,習熟度の高い大学生上級者群は,ステップ時に体軸角度を進行方向に前傾させ,ステップ間隔を広げると共に、支持脚の膝関節角度を小さく,ボール運び時の支持脚膝関節伸展速度を増加させ,身体重心速度を高めている可能性があり,守備者との間合いやボール進行角度等においても再現性の高い技術発揮を行っていることが示唆された.
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