講演情報

[競技スポーツ-A-18]大学教養体育サッカーのゲーム特徴から再考するゲーム位相(方)

*寺田 進志1 (1. 大阪国際大学)
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サッカーのゲーム位相(瀧井,1988)は指導実践の際の根拠になり得る。一般にはサッカー初心者への指導は自己とボールの関係構築を第一段階する。その根拠としてゲームでは密集状態となってしまうため、その状態を脱却するために指導者は初心者に対して自由にボールを扱えるようにすることを目指すことが、その一例としてあげられよう。
 第1位相の特徴は初心者に相当する大学生でも確認されたとされるが(瀧井,1988)、筆者の経験上、これらは大学教養体育サッカーの特徴であると断定できない。ゲーム位相の再検証の必要性が主張されていることを踏まえると(寺田,2023)、改めて初心者に相当する大学生のサッカーゲームの特徴を明らかにすることに意義はある。その特徴からゲーム位相を再考することで新たなサッカー指導法の提案に繋げることができると考えられる。
 本研究では、大学教養体育サッカーのゲーム特徴を明らかにし、その特徴からゲーム位相を再考することを目的とする。本研究目的を達成させるために、筆者が担当する教養体育の受講者の中から初心者に相当する学生を選出して試合をし、その様子を撮影し、スポーツ運動学(金子,2009)の立場から観察分析する。そして、得られた結果からゲーム位相を再考する。
 分析の結果、大学教養体育サッカーにおけるゲームの特徴として、プレーヤー及びチームはゴールに直線的に進んでいくことが明らかにされた。プレーヤーはボールもゴールも意識してプレーすることで、この特徴が現れると考えられる。この結果は市民権を得るゲームの第1位相の特徴とは異なる。
 第1位相の特徴は初期指導に影響を与え、プレーヤーの競技力に影響を及ぼすため、その特徴の認識は指導するうえで重要になる。ゲーム位相研究を更に深めることで、より一層の競技力向上が期待される。

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