講演情報

[競技スポーツ-A-20]女性アスリート育成パスウェイにおいて考慮すべきコンディショニングの課題の検討(生)

*中村 有紀1、中村 真理子1、岩田 理沙1、門馬 怜子1、松田 知華2、相澤 勝治3、鈴木 なつ未4 (1. 日本スポーツ振興センター/国立スポーツ科学センター、2. 立命館大学 総合科学技術研究機構、3. 専修大学、4. 拓殖大学)
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女性アスリートのコンディショニングにおいては、ライフステージにより発育に伴う性成熟、月経周期による周期的変動、妊娠・出産など、女性特有の課題がある。持続可能な国際競技力の向上にはアスリート育成パスウェイの構築が重要であることが示されているが、女性アスリートにおいても、育成過程から引退までのライフステージによる多様な課題をを考慮し、長期的な視点に基づいたコンディショニングを計画する必要がある。そこで本研究では、女性アスリート育成パスウェイにおける最適なコンディショニングを可視化・共有化するための取り組みの一つとして、インタビュー調査を実施し、女性アスリートが考慮すべきコンディショニングの課題について検討した。対象は、日本版FTEM【Foundation)、T(Talent)、E(Elite)、M(Mastery)】におけるEliteレベル(シニア代表選出)以上を経験した元女性アスリート12名であった。方法は、対面またはオンラインで実施する1対1の半構造化インタビュー形式で行った。事前に国立スポーツ科学センターに保管された対象者のフィットネスチェックの記録、メディカルチェック時の婦人科問診票の回答、オープンソースから得られた競技成績等からライフラインを作成し、それを元に聞き取りを行った。インタビューは、女性アスリートのコンディショニングを専門分野とする研究員複数名で担当し、インタビューガイドに沿って1回60分から90分で行った。聞き取りにあたっては、対象者が日本版FTEMのどの段階について語っているかを明確にするよう留意した。逐語録を元にコードを抽出して分析を行った結果、Eliteの段階に入ると同時にサポート体制が厚くなり、それと並行してセルフコンディショニングが確立することが示された一方、Talentの段階で適切な情報を得て活用できる環境の整備が課題として挙げられた。

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