講演情報
[競技スポーツ-A-41]新規開発された反応敏捷性テストの妥当性検証(測,バ)
*佐藤 隆彦1,2、長野 明紀2、伊坂 忠夫2 (1. びわこリハビリテーション専門職大学、2. 立命館大学)
敏捷性は、方向転換走能力と知覚・判断能力から構成されるものの(Young, 2002)、既存の敏捷性テストでは既定走路の疾走タイムを計測しており、方向転換走能力は評価できる一方、知覚・判断能力は結果に反映されない。本研究では、双方の能力が要求されるテストを開発し、評価の妥当性を検証した。運動部に所属する男子大学生32名が、新規開発した反応敏捷性テストに加え、①3-conesテスト、②単純反応時間テスト、③ナンバータッチテスト、④目と手の協応テストに取り組んだ。反応敏捷性テストでは、床面に設置された8個のLED内臓ボタンを頂点とする正八角形(対角線4m)の中で、ターゲットである点灯したボタンを順に押すために疾走と方向転換を繰り返し、規定回数ボタンを押すまでのタイムを計測した。点灯中のターゲットとは別のボタンを点滅させることで次のターゲットを予告し、ターゲットを押した瞬間に点滅から点灯に変わることでターゲットが順次切り替わるよう制御した。これにより、次のターゲットを事前に知覚できるか、次のターゲットを事前に知覚できなかった際に点灯と点滅のどちらがターゲットか素早く判断できるか、といった知覚・判断能力の優劣が結果に影響するよう設計した。①は方向転換走能力を、②から④は知覚・判断能力を単独で評価するテストとして設定した。反応敏捷性テストの結果を従属変数、①から④の結果を独立変数とし、ステップワイズ法による重回帰分析を行った結果、③のみを採用したモデル(R2adj=0.244, p=0.004)と、①と③を採用したモデル(R2adj=0.351, p=0.002)が得られた。R2adjとpの両統計量において、方向転換走能力と認知・判断能力の双方を採用したモデルの方が優れていたことから、新規開発した反応敏捷性テストは双方の能力を反映した敏捷性を妥当に評価可能であることが示唆された。
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