講演情報
[学校保健体育-B-17]小学校中学年児童における跳び箱との身長差からみた開脚跳び動作の特徴(教,測,発)決定木分析を用いた身長差がもたらす動作への影響の検討
*佐野 孝1、國土 将平1 (1. 中京大学スポーツ科学部)
【目的】児童と跳び箱との身長差からみた開脚跳び動作の特徴を明らかにし,身長差が動作に与える影響を検討することを目的とした.【方法】K 市立小学校の3-4年生289名(男子142名,女子147名)を対象に,開脚跳びのビデオ撮影(4・5段で各2回)と身長測定を行った.技の観察的評価基準による評価を行い,各段の試技2回のうち評価合計点が高い試技を分析に用いた.開脚跳びの構成動作の明確化のため,評価結果にカテゴリカル因子分析を適用し,動作因子を抽出した.跳び箱との身長差による動作への影響を検討するため,各動作の因子得点を従属変数,跳び越しの成否と跳び箱との身長差を独立変数とする決定木分析(CART)を行い,身長差により因子得点の異なる群の分岐がみられるかを確認した.【結果】カテゴリカル因子分析の結果,開脚跳びの構成動作には,着手-着地動作,踏み込み動作,踏み切り動作,腕の振り上げ動作,両手の揃え動作,脇のしめ動作の6因子が抽出された(累積寄与率65.3%).決定木分析の結果,寄与率の高い3動作について,着手-着地動作は,跳び越しの成否により群が分岐した後,跳び越し成功群の中で,身長差が≦79.0cmの群(因子得点0.59±0.53)と>79.0cmの群(0.40±0.48)に分岐した.踏み込み動作は,跳び越しの成否による群の分岐がみられたが,身長差での分岐はみられなかった.踏み切り動作は,跳び越しの成否により群が分岐した後,跳び越し成功群の中で,身長差が≦71.7cmの群(0.44±0.99),>71.7cmかつ≦86.7cmの群(0.14±1.02),>86.7cmの群(−0.32±0.78)に分岐した.【結論】跳び越しを達成した段階では,身長に対し跳び箱が低すぎる場合に,踏み切りや着手の技能発揮が制限される可能性がある.本研究はJSPS科研費JP23K18955の助成を受けた.
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