講演情報
[学校保健体育-A-10]高校生のフィジカルリテラシーを高める体育授業プログラムの開発(教,社)
*乾 順紀1,3、長ヶ原 誠2 (1. 神戸大学大学院、2. 神戸大学、3. 奈良県立奈良商工高等学校)
第3期スポーツ基本計画において、国によって初めてフィジカルリテラシーの文言が取り入れられた。わが国のフィジカルリテラシー研究ではその育成プログラムや体育授業などでの効果検証が今後の課題に挙げられるが、現状学校現場での実践的な介入や検証の報告はみられない。そこで、まずは海外の実践方法にも倣いながら、わが国でも実践可能な体育授業プログラムを検討する必要があると考える。わが国で生涯スポーツ参画に関する学習内容が設定されている体育のカリキュラムに体育理論がある。本研究では、体育理論に着目し、フィジカルリテラシーの向上をねらいとした高校生への体育授業プログラムを開発し、その効果を検証することを目的とした。対象は、筆頭著者からの調査依頼が承諾された複数の高等学校の生徒である。調査項目には、運動・スポーツ参画に関する項目を、フィジカルリテラシー評価尺度として、Perceived Physical Literacy Instrument(Sum et al.,2018)、Adolescent Physical Literacy Questionnaire(Mohammadzadeh et al.,2022)の日本語版尺度を設定し、プログラム前後でのアンケートに回答を求めた。授業実践者は、保健体育科教諭として公立高校に10年以上勤務し、かつ博士課程大学院生である筆頭著者である。プログラムについては、Corbin(1997)のフィットネス教育モデルと米国の学習単元の進め方を参照し、講義2時間、実技3時間の枠組みを基本とした。内容として、3単元「豊かなスポーツライフの設計の仕方」をベースにスライドを用いながら展開し、内容に応じて補足資料や映像を加えた。さらに、実技による展開としてアダプテッドスポーツ、ニュースポーツを1種目ずつ設定した。発表当日は1学期中にプログラム実施予定の2校から得られた結果について報告する。
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