講演情報

[学校保健体育-B-22]小学生の社会情動的スキルと生活習慣との関係(教,発)

*山田 淳子1、松田 繁樹1、辻 延浩1 (1. 滋賀大学)
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本研究では、小学生(3~6年生)における社会情動的スキル(以下、SESと示す)と生活習慣との関係を明らかにすることを目的とした。対象者は、S県の公立小学校に在籍の3年生~6年生の児童788名であった。SESの調査には小学生用・社会情動的スキル評価尺度(山田ほか、2023)を用いた。生活習慣の調査には「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」児童調査票(スポーツ庁、2019)から抽出した「食事」「身体活動・運動」「睡眠」「スクリーンタイム」についての質問項目(7項目)を用いた。生活習慣の調査では4件法で回答を得たが、内容的妥当性を考慮し、回答カテゴリーを二つに統合して分析を行った。生活習慣および学年の要因がSES合計得点に及ぼす影響を検討するため、二要因とも対応のない二要因分散分析を行った。多重比較検定にはBonferroni法を用いた。また、生活習慣がSESに及ぼす複合的関連を検討するために、SES合計得点を目的変数、生活習慣項目を説明変数とした数量化理論第Ⅰ類を行った。二要因分散分析の結果、「運動やスポーツの好き嫌い」(嫌い<好き)、「運動やスポーツの実施(体育の授業以外)」(しない<する)、「運動やスポーツの実施(スポーツクラブ以外の放課後や休日)」(ない<ある)、「地域のスポーツクラブの加入」(入っていない<入っている)、「朝食の摂取状況」(食べない<食べる)、「睡眠時間」(9時間未満<9時間以上)および「スクリーンタイム」(2時間以上<2時間未満)のすべての質問項目について、男女とも生活習慣の違いによってSES合計得点に有意な差が認められた。数量化理論第Ⅰ類の結果、運動やスポーツの好き嫌い、運動やスポーツの習慣、スクリーンタイムの順でSESへの影響度が高いことが明らかになった。以上より、良好な生活習慣を身に付けている児童はSESが高い可能性があることが示唆された。

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