講演情報

[学校保健体育-B-23]小学校高学年を対象とした批判的思考及び活動的姿勢の評価尺度の検討(教)フォロアーシップを援用して

*後藤 晃伸1、中野 貴博1、國土 将平1 (1. 中京大学)
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【目的】体育授業や運動部活動などの様々な集団的な教育場面では,体力や技能の向上といった側面以外にも望ましい教育的な価値があると考える。このような望ましい教育的な価値のひとつの概念として,OECDはビッグファイブの考え方を基に社会情動的スキルを説明しているが,批判的思考についての考え方が盛り込まれていない。批判的思考は,Bloom's Taxonomy(1985)を提示しながら定義されることが多いが,ビッグファイブの開放性に関する概念にも影響があると考えられる。そこで本研究は,批判的思考に着目した質問項目を作成し,構成概念妥当性ならびに得られた尺度の特徴を検討することを目的とする。
【方法】Some Followers Are More Effective(Kelley, 1988)を援用し,批判的思考及び活動的姿勢の2つの概念からなる6つの質問項目を作成した。作成した質問項目はN市の小学校高学年の児童2037名を対象として質問紙調査を実施した。これらの質問項目と社会情動的スキル評価尺度17項目(山田,2023)とGritの質問8項目を用いて,共通性を1.0とした主因子解法により因子を抽出し,抽出した因子にプロマックス基準による斜交回転を施した。また,本研究に関わる因子について,学年,性別を要因とする二元配置分散分析を実施した。
【結果】34の質問項目から8つの因子が抽出され,そのうちの第7因子は3つの質問項目に高い批判的思考因子パターンを示す因子が独立因子として抽出され,批判的思考因子と解釈した。この因子の信頼性はα=0.716であった。活動的姿勢の項目は,社会情動的スキルの因子に含まれ,独立した因子としては抽出されなかった。また,批判的思考は性別に有意差を示し,男子より女子の方が高いことが明らかになった。

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