講演情報
[学校保健体育-A-23]中学校部活動の地域移行に対する保護者の態度について(社)
*秋吉 遼子1、高尾 将幸1、川邊 保孝1、内田 匡輔1 (1. 東海大学)
「改革推進期間」の部活動の地域移行は、地域の実情に応じた取り組みがなされ始めている。懸念点として保護者の負担の増加が指摘されているが、保護者に対する調査研究は蓄積されていない。そのため、本研究の目的は、中学校部活動の地域移行に関する保護者の態度を明らかにすることである。神奈川県A中学校の保護者を対象に、2024年2月~3月にWEB調査を行った(n=108)。中学校部活動の地域移行の認知は、知らない傾向にある人と知っている傾向にある人が、ほぼ半数ずつであり、約8割の保護者が中学校部活動の地域移行に関心がある。中学校部活動の地域移行に関する態度は、約60%の保護者が賛成傾向、約35%が賛成でも反対でもなく、残りの約5%が反対傾向にあることが明らかになった。中学校部活動の指導者については、「教員と外部指導者の両方」を希望する保護者が最も多く、活動場所については、「通っている中学校が良い」が最も多かった。中学校の運動部活動に最も求めることは「友達と楽しく活動すること」であった。中学校の運動部活動の地域移行に際し、最も不安な点は「送迎の負担が増える可能性」であった。自由記述について、定性的コーディングを行った結果、指導者の専門性、地域の指導者、教員の負担、親の負担、責任、活動の方向性、活動量、活動場所、つながり等がコードとして挙がった。中学校部活動の地域移行に関する態度との関連性について、分析した結果、回答者の子供における運動部所属の有無、回答者の子供における習い事の有無によって、地域移行に関する態度は変わらないことが明らかになった。しかし、地域移行に関して不安が少ない人ほど、地域移行に賛成傾向であることが明らかになった。
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