講演情報

[学校保健体育-B-32]グループエクササイズフィットネスの授業による学生の気分状態の変化(心)エアロビクスエクササイズ・レジスタンスエクササイズ・ストレッチングエクササイズによる比較検討

*菅野 慎太郎1、橋口 泰一 (1. 日本大学)
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本研究は,グループエクササイズフィットネスの授業による学生の気分状態の変化について調査し,体育授業によるメンタルヘルス改善に向けた授業内容の検討を行うことを目的とした。対象者は授業を受講した女子専門学校生18名のうち,測定値や回答に不備のなかった12名(18.2±0.6歳)を対象とした。授業は全6回分のグループエクササイズフィットネスで構成し,授業内容の内訳は,エアロビクスエクササイズ(第1・2回目),レジスタンスエクササイズ(第3・4回目),ストレッチングエクササイズ(第5・6回目)とした。気分状態の評価は,二次元気分尺度を用いて運動前後での気分状態の変化を測定した。運動強度の評価は,心拍計を用いて運動中の平均心拍数を測定した。分析方法については,運動前後における二次元気分尺度の変化を対応のあるt検定を用いて分析した。また,運動前後での気分状態の変化量を算出し,平均心拍数との関連性についてPearsonの積率相関係数を用いて分析した。その結果,①エアロビクスとレジスタンスでは共通して「活性度」「快適度」の増加がみられ,気分の高揚とストレス緩和に効果をもたらすことが示唆された。また,エアロビクスにおいては「覚醒度」の増加もみられ,覚醒水準(眠気)の回復に効果をもたらすことも示唆された。②ストレッチングでは共通して「安定度」の増加がみられ,リラックスや疲労の回復に効果をもたらすことが示唆された。また,立位の姿勢で実施した場合には「安定度」に加え,「活性度」「快適度」の増加もみられたため,ストレッチングによる気分変化は,姿勢の変化を考慮する必要も示唆された。③各エクササイズにおいて,平均心拍数(運動強度)と気分状態の変化には関連が認められなかった。このことから,気分状態の変化に合わせて体育授業の授業内容を構築するには,運動様式を考慮することが重要であると考えられた。

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