講演情報

[生涯スポーツ-A-03]総合型地域スポーツクラブの成果に関する一考察(経)

*村田 真一1、澤田 駿佑1 (1. 静岡大学)
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総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)の全国展開が図られてから、はや30年を迎えようとしている。この間、様々な調査・研究が進んでいる中、今時点での総合型クラブの成果に関する言及はさほど目立たなくなってきたように思われる。特に近年、「新型コロナウイルス感染症」「登録・認証制度」「運動部活動地域移行に伴う地域スポーツクラブの在り方の再考」等の社会的・政策的影響があることを踏まえれば、今一度、総合型クラブの全体動向(特に成果指標)について見図るタイミングであるように思われた。そこで本考察は、総合型クラブの成果について再定義し、その概念構築から総合型クラブの成果を条件づける要因との関連を検証することを目的とした。また、本研究は筆者らの既往研究(2016)との比較についても試みることとする。調査方法は、全国に既設されている総合型クラブを対象とした質問紙調査によるもので、最終サンプルは763であった。分析方法は、以下の手順に従った。まず、筆者らの既往研究により構築された「クラブ成果」に関する21の仮説的構成概念に対し因子分析を施し、その信頼性・妥当性の検証によって「クラブ成果概念」を再構築した。次に、検証された概念(次元)の因子得点を用いてクラスタ分析を施し、総合型クラブのタイプ分けを行った。その上で、類型化されたクラブタイプごとの成果状況を把握し、成果に影響を与えると目される経営条件との関連性について、クロス分析や差の検定により明らかにした。主な研究結果は、①再構築された「クラブ成果概念」は筆者らによる既往研究と異なる様相をみせたこと、②クラブタイプごとの成果状況は複雑さを成すものではなく、その成果に関して二極化している様相にあること、であった。また、成果への影響要因については、クラブ経営(内向き)とクラブ社会(外向き)との関連で言及する必要があると思われた。

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