講演情報

[生涯スポーツ-A-06]日本の男性ラグビー選手におけるメンタルヘルスに配慮した環境とメンタルヘルス及びメンタルタフネスの直接および間接的な関連性(政,保,教,心,社)スポーツにおけるメンタルヘルス: 環境設計から見るサポートの可能性

*小塩 靖崇1、雨宮 怜2、山田 快3 (1. 国立精神・神経医療研究センター、2. 筑波大学、3. 法政大学)
PDFダウンロードPDFダウンロード
目的:アスリートのメンタルヘルスの重要性が高まっている。本研究は、日本の男性ラグビー選手を対象に、メンタルヘルスに配慮した環境、メンタルタフネス、メンタルヘルス不調の関連性を検証することを目的とする。方法:541名の男性ラグビー選手を対象にwebアンケート調査を実施した。調査には、不安・うつ等のメンタルヘルス不調の程度を評価するKessler Distress Scale(K10)、15項目のメンタルタフネス尺度(MT)、およびメンタルヘルスに配慮した環境の認識を測定するSport Psychological Safety Inventory(SPSI)が含まれた。MTとSPSIはスコアが高いほど良好な状態を示し、K10は低いほど不調の程度が小さいことを示す。媒介分析により、SPSIがMTに及ぼす直接および間接的な効果を、K10を介して検討した。結果:220名の参加者が選考基準を満たした。SPSIはK10スコアを低下させ(β = -0.367, p < 0.001)、メンタルヘルスに配慮した環境とメンタルヘルス不調の間に負の関係があることが示された。K10はMTと負の関連があり(β = -0.286, p < 0.001)、SPSIはMTに正の関連が確認された(β = 0.539, p < 0.001)。Sobelテストにより、SPSIがK10を介してMTに及ぼす間接効果が確認され(z = 2.818, p < 0.001)、有意な媒介効果が示された。結論:メンタルヘルスに配慮した環境は、日本の男性ラグビー選手のメンタルタフネスをメンタルヘルスの改善を通じて、直接および間接的に高める可能性がある。スポーツ界におけるメンタルヘルスに配慮した環境の重要性を強調し、支援的な環境を作るための介入の実施がアスリートのウェルビーイングに寄与することを示唆している。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン