講演情報
[生涯スポーツ-A-07]テニスレッスンにおける「価値共創」場面の視覚化に関する研究(経)特に、コーチ行動に着目して
*井口 瑛心1、中西 純司2 (1. 立命館大学大学院 社会学研究科 応用社会学専攻、2. 立命館大学 産業社会学部)
【緒言】筆者らはこれまでに、スポーツ価値共創における「わざ言語」の有効性を分析するためのフレームワーク(井口・中西, 2024)について検討してきた。このフレームワークは、スポーツサービスが無形で、生産と消費が絶えず同時に起こるという特性を考慮して、スポーツの価値が提供者と受益者との協働的な相互作用によって成り立つという「価値共創モデル」(Grönroos, 2006;Prahalad and Ramaswamy, 2004)に依拠して構築された。たとえば、テニスレッスンというプログラムサービスを想定した場合、コーチ(提供者)は受講生(受益者)との様々なコミュニケーション行為[サーブを指導する際に「ボールを投げるようにスイングする」といったような比喩的表現(形式知)の活用など]を通して人間的な指導・支援をするという豊かな経験価値を創造している。本研究では、こうしたフレームワークを用いて、テニスコーチが実際の指導場面においてどのようなコミュニケーション行為(コーチ行動)を演出しているのかについて吟味する。【研究方法】コーチ行動の分析については、高橋ほか(1991)がALT-PE-TBなどを修正して開発した「教師行動の観察法」と、小林(2015)による「価値共創パターン」および野中(1990)による「SECIモデル」に基づいて独自に開発した「スポーツ価値共創観察記録シート」を用いる。具体的には、➀価値共創パターン、②コミュニケーション内容(形式知と暗黙知の活用状況)、③指導・支援場面などの視座からコーチ行動を分析する。また、本研究で用いる調査対象は、2024年6月下旬に調査実施予定のAテニススクール(熟練コーチ3名による、一般成人の初級・中級・中上級・上級の各2クラスの合計8クラス)で収録したレッスンを分析対象とする。なお、発表当日は、具体的な調査方法や詳細な結果等について報告する。
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