講演情報

[学校保健体育-B-01]高等学校における体育実技授業の実態調査(教)2020年度と2024年度調査の比較

*藤本 敏彦1、中原 雄一2、角田 憲治3 (1. 東北大学、2. 福岡県立大学、3. 山口県立大学)
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【目的】高等学校における体育実技の意義や実施方法についてこれまで評価はほとんど行われていない。そこで高校の体育実技授業の実態を明らかにすることを目的とした。【方法】2021~2023年度に高等学校を卒業した大学生を対象に高校時代の体育実技に関する調査行った。調査はグーグルフォームを用いて実施し161名中144名から回答を得た。この結果と2016~2019年度に高等学校を卒業した大学生(837名)の調査結果を比較検討した。【結果】体育実技の意義について「理解していた」と回答した者は前回(68.0%)から今回(83.3%)の調査にかけて増加した。また、体育実技の具体的な意義として、「健康・体力作り」や「運動の機会」など個人で達成できる回答は前回(52.6%)から今回(56.9%)にかけて増加傾向を示した。一方「社会人基礎力」など人間関係に関する回答は前回(22.4%)から今回(17.0%)にかけて減少した。なお「担当教員の指導について一番近いものはどれですか」という問に対して、「先生からのアドバイスはあまりなく、見守っていることが多い指導」や「先生は授業の開始時と終了時のみで授業時にいないことが多く、生徒が中心となって行われていた」と回答した者は、前回(28.2%)から今回(38.9%)にかけて増加傾向を示した。【結論】前回から今回にかけて高校生時における体育実技の意義を理解している者が増加傾向にあったが、これはその意義を個人でも達成可能な点から感じている者が増加していることに起因している可能性がある。また授業形態について、今回の調査では約40%は高校生時に教員から積極的な指導を受けていない可能性が示された。一方前回から今回にかけて人間関係作りにおいては減少傾向にあったことから体育実技の意義を感じる高校生を増やすためには教員の授業への積極的なかかわりが必要であると考えられる。

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