講演情報
[競技スポーツ-A-02]福岡県タレント発掘事業開始時から修了時までの体格及び体力の特性(発)
*原村 未来1、萩原 正大1、中尾 武平2、手島 和人3、山下 修平1、白井 克佳1 (1. ハイパフォーマンススポーツセンター、2. 九州産業大学、3. 福岡県スポーツ振興センター)
<目的>我が国のタレント発掘・育成事業の多くは小中学生年代の選手が対象とされ、男女とも成長期中に事業が展開されるものの、体格及び体力の特性を縦断的なデータに基づき検討された検討は限られている。本研究は、福岡県タレント発掘事業開始時から修了時まで体格及び体力に関する縦断的なデータを用いて、異なる学年間での関連や成熟度別の体力推移などを検討し、タレント発掘事業に寄与する知見を得ることを目的とした。<方法>平成17年度~平成31年度まで福岡県タレント発掘事業に参加した将来性豊かな選手(スポーツタレント)382名(男子182名、女子200名)の内、小学4年生(小4)から中学3年生(中3)までの体格及び体力データを縦断的に有する96名(男子43名、女子53名)を対象とした。分析方法は、スポーツタレントの事業開始時(小4)から事業修了時(中3)までの体格及び体力データ(身長、体重、25m走、立幅跳、5段跳、リバウンドジャンプ 他)を事業修了時(中3時)のデータと、他学年のデータとの関連についてピアソンの相関係数(r)を算出して検討した。また、小4から中3までの1年ごとの身長の変化量を算出し、最も大きい変化量であった年代を基準に成熟度を3つに分類した。各体力データは、小4から中3まで経時的な変化と異なる成熟度の2要因について、反復のある2元配置分散分析を用いて比較した。<結果と考察>全体的に年代が高くなるとともに中3時の体格及び体力データとの相関関係が強くなり、男子よりも女子の方がやや早い年代から相関関係が強くなる傾向であった。男女ともに身長、体重、ボール投げ、全身反応時間、座位ステッピングでは、小4時と中3時との間に相関関係が認められた。また、男女ともに25m走、立幅跳及び5段跳では、成熟度の違いにより、各体力指標が向上する時期が異なる傾向が示された。
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