講演情報
[競技スポーツ-A-03]エリートアスリートに到達した福岡県タレント発掘事業修了者の中学生期及びシニア期における体格及び体力の特徴(政,測,方)
*萩原 正大1、原村 未来1、中尾 武平2、手島 和人3、山下 修平1、白井 克佳1 (1. ハイパフォーマンススポーツセンター、2. 九州産業大学、3. 福岡県スポーツ振興センター)
本研究は、福岡県タレント発掘事業参加者(スポーツタレント)がエリートアスリートに至るまでの体格及び体力の特性を検討し、タレント発掘・育成事業に有用な知見の獲得を目的とした。平成17~31年度まで福岡県タレント発掘事業に参加したスポーツタレント382名(男子182名、女子200名)の内、国立スポーツ科学センターにおける体力測定経験を有するエリートアスリートに到達した27名(男子6名、女子21名)を対象とした。分析方法は、スポーツタレント期である中学3年生時(中学生期)の体格(身長、体重)及び体力測定(立幅跳、5段跳、リバウンドジャンプ、全身反応時間、20mシャトルラン)の結果と、エリートアスリート期(シニア期)の体格(身長、体重)及び体力測定(垂直跳、リバウンドジャンプ、全身反応時間、有酸素性作業能力テスト)の結果を用いて、体力測定で求められる体力要因(跳躍力、調整力、全身反応、有酸素性作業能力)が似通った項目間でピアソンの相関係数(r)を算出した。その結果、身長、体重、リバウンドジャンプ及び全身反応時間は、中学生期とシニア期とで有意な正の相関関係が認められた(身長: r=.988, p<.001; 体重: r=.885, p<.001; リバウンドジャンプ: r=.734, p<.01; 全身反応時間: r=.849, p<.01)。中学生期の立幅跳及び5段跳とシニア期の垂直跳との間に有意な正の相関関係が認められた(立幅跳vs. 垂直跳: r=.701, p<.01; 5段跳 vs. 垂直跳: r=.746, p<.01)。中学生期のシャトルランとシニア期の有酸素性施業能力テストとの間に有意な正の相関関係が認められた(r=.732, p<.05)。以上より、エリートアスリートの体格(身長、体重)及び体力要因(跳躍力、調整力、全身反応、有酸素性作業能力)は、中学生期とシニア期との間で関係性を示すことが示唆された。
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