講演情報

[競技スポーツ-B-03]オランダバレーボールの小学生年代における選手育成の理念とそれを実現する大会実施形式(方,社)専門家に対するインタビュー調査を通して

*中山 紗織1 (1. 筑波大学)
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国内外の小学生スポーツにおいては、競技への過剰な専門化によるバーンアウトや子どもの身体発達の制限などが問題視されている。その要因の一つとして、大会へ望む指導者の態度が着目され、近年、国内外において全国小学生大会が廃止あるいは実施形式が変更されている。そこで本研究では、2023年に全国小学生大会を廃止したオランダのバレーボールを対象に、選手育成の理念とそれを実現するための大会実施形式を明らかにすることを目的とした。調査対象者は、オランダバレーボール協会委員の2名であった。オランダバレーボールにおける選手育成の理念と大会実施形式について、対象者と調査者が2対1で対話できる場所で半構造化インタビューを行い、語りの内容を質的に分析した。
その結果、選手育成の理念について、オランダバレーボールでは、将来的に子どもたちが最高のパフォーマンスを発揮することを目指すことに加えて、可能な限り多くの人をバレーボールへ巻き込むことのバランスが、近年になって重視されるようになったことが明らかになった。過去の大会実施形式については、何ヶ月にもわたって試合の結果を考慮しなければならないリーグ戦による全国大会の実施形式における欠点が示された。これらのことから、先述した新しい選手育成の理念に適した大会の実施形式とするための取り組みの一環として、全国小学生大会を廃止したことが明らかになった。このような改革を促した要因は、他競技や他団体との連携によるものであることが示唆された。

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