講演情報
[04生-口-06]事前のビートルートジュースの摂取が一過性の高強度レジスタンス運動後における血管内皮機能に及ぼす影響
*森嶋 琢真1、越智 英輔2 (1. 中京大学、2. 法政大学)
【背景】一過性の高強度レジスタンス運動は血管内皮機能を一過的に低下させる。NO産生は血管内皮機能の改善と深く関連するが、ビートルートジュース(BRJ)は硝酸塩を多く含み、生体内で代謝(還元)され、NO産生を促進することが知られている。【目的】事前のBRJの摂取が一過性の高強度レジスタンス運動後における血管内皮機能の低下を予防する、という仮説を検証することを目的とした。【方法】健康な若年男女16名を対象に、プラセボ(PL)条件とBRJ条件を設け異なる日に実施した。なお、各条件の実施順序はランダムとした。対象者は、ベースラインの測定後、140mlのPLまたはBRJを摂取した。PLまたはBRJの摂取後60分間は仰臥位安静を維持し、60分経過時において再び測定を実施した。その後、事前に測定した1RMの70%に相当する強度でのレッグエクステンション10回を60秒間の休息を挟んで5セット繰り返す高強度レジスタンス運動を実施した。レジスタンス運動終了10分後および60分後に再び測定を実施した。測定項目は上腕動脈の血流依存性血管拡張反応(FMD)および血圧(収縮機および拡張期)であった。なお、血圧はレジスタンス運動のセット間インターバル中にも測定した。【結果】収縮期血圧および拡張期血圧の応答は、すべての測定ポイントにおいて条件間で有意差は認められなかった。BRJ摂取60分後におけるFMDの値は摂取前と比較して有意に変化せず、条件間でも有意差は認められなかった。レジスタンス運動10分後、PL条件におけるFMDの値はBRJ条件と比較して有意に低値を示した。一方で、レジスタンス運動60分後におけるFMDの値には条件間で有意差は認められなかった。【結論】事前のBRJの摂取は一過性の高強度レジスタンス運動直後における血管内皮機能の低下を抑制できる可能性が示された。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン