講演情報
[08測-口-04]高次脳機能に着目した反応時間のばらつきと道路横断時交通事故の関連
*坂口 雄介1、若田部 舜2、尾山 裕介3、村山 敏夫4 (1. 北陸大学、2. 東亜大学、3. 桐蔭横浜大学、4. 新潟大学)
ヒトの運動パフォーマンス向上や転倒予防に向けて、高次脳機能に着目した研究が数多く報告されている。高次脳機能とは、目標のための計画を立て、それを達成するために自身の行動や思考を制御する機能のことである。我々はこれまで、高齢者の道路横断中の交通事故抑止に向けて高次脳機能に着目して研究を進めており、反応時間の平均値が歩行シミュレータ上での事故群は事故回避群と比較して有意に遅いことを明らかにした。本研究では、同一課題の実施中におけるばらつきは中枢性(状況に応じて行動する能力)の疲労を反映し、パフォーマンスの低下と関連するという報告をもとに、反応時間測定の3試行内のばらつきと道路横断事故の関連を明らかにすることを目的とした。
対象者は健康教室に通う女性高齢者とした。反応時間測定は、光刺激発生装置からの赤色光を感じたら素早く立ち上がる単純反応時間測定と、マルチタスク(メトロノームの音に合わせて手拍子を行い、そのテンポに合わせて50からカウントダウン)遂行中に光刺激発生装置からの赤色光を感じたら素早く立ち上がる複数課題反応時間測定をそれぞれ実施した。どちらも光刺激発生後から被験者の臀部が測定マットを離れるまでの時間を測定した。3試行実施し、平均値と標準偏差から算出した変動係数を代表値とした。また、交通事故発生のリスクの評価には歩行シミュレータ測定を採用した。三面鏡様に配置したスクリーンの前での足踏みによる模擬的な前進と、歩道から奥車線を通過するまでの道路横断を実施させ、事故群と事故回避群を分類した。
事故群は事故回避群と比較してばらつきが大きいことが確認された。疲労等を原因として個人に備わる高次脳機能の発揮に差が生じることが交通事故の発生要因となっていると考えられる。このことから、平均的な速度だけではなく、個人内のばらつきも交通事故抑止に向けた指標として有効であることが示唆された。
対象者は健康教室に通う女性高齢者とした。反応時間測定は、光刺激発生装置からの赤色光を感じたら素早く立ち上がる単純反応時間測定と、マルチタスク(メトロノームの音に合わせて手拍子を行い、そのテンポに合わせて50からカウントダウン)遂行中に光刺激発生装置からの赤色光を感じたら素早く立ち上がる複数課題反応時間測定をそれぞれ実施した。どちらも光刺激発生後から被験者の臀部が測定マットを離れるまでの時間を測定した。3試行実施し、平均値と標準偏差から算出した変動係数を代表値とした。また、交通事故発生のリスクの評価には歩行シミュレータ測定を採用した。三面鏡様に配置したスクリーンの前での足踏みによる模擬的な前進と、歩道から奥車線を通過するまでの道路横断を実施させ、事故群と事故回避群を分類した。
事故群は事故回避群と比較してばらつきが大きいことが確認された。疲労等を原因として個人に備わる高次脳機能の発揮に差が生じることが交通事故の発生要因となっていると考えられる。このことから、平均的な速度だけではなく、個人内のばらつきも交通事故抑止に向けた指標として有効であることが示唆された。
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