講演情報

[08測-口-06]潜在クラス分析による喫煙に対する意識・態度と性、年齢、喫煙経験との関連

*青柳 領1 (1. 福岡大学スポーツ科学部)
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喫煙に対しては否定的な意識や態度のみらず好意的な意識や態度がある。本研究ではこの潜在化した意識や態度を少ない質問項目から抽出することが可能な潜在クラス分析を用いて検討する。また、これらは性、年齢、喫煙経験などの影響を受けることが考えられることからそれらとの関連を検討する。ただし、潜在クラス分析は因子分析の因子得点のように各個人の特性を示す値を持たないことから、相関係数などは用いられない。そこで、質問項目の各選択肢が各クラスに所属する確率の組み合わせにより全反応パターン別のクラス確率が求められるので、外的基準となる選択肢別に全反応パターン別の頻度を求め、その頻度をクラス別確率で分離して,それらの期待値を合計することにより,潜在クラスと質問項目とのクロス表を作成する。対象はF大学のスポーツを専門としない学生267名を対象に、「喫煙はストレスや苛立ちを解消する効果があるか」「食欲が抑制されてダイエットになるか」「一緒に吸うことにより友達が増えるか」など12項目のアンケート調査を行い、3件法で回答を得た。結果、BICが5545と最も小であることから3クラス解を採用した。各クラスは「ストレス解消」「ダイエットになる」「友達が増える」などの喫煙の効用に対して明確な意識・態度を持たない「無関心」クラス(所属確率=25.0%)、喫煙には何一つ好ましい点はないとする「完全否定」クラス(52.9%)、効用についても認め、個人の責任の範囲で吸うのであれば問題もなく、社会ももっと寛容であるべきとする「寛容」クラス(22.1%)と解釈された。先に述べた方法で性、年齢、喫煙経験とのクロス表を作成し、χ2検定した結果、有意な関連がみられ(χ2= 36.88、df= 2,p=<0.001)、喫煙経験者は「寛容」クラスに有意に多く(調整残差=4.98)、非喫煙者は「完全否定」クラスに多かった(5.98)。

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