講演情報

[08測-口-07]球技選手に求められる方向転換走能力とその評価テストの探索

*杉山 敬1,2、伊坂 忠夫3,2 (1. 立命館大学総合科学技術研究機構、2. 立命館大学スポーツ健康科学総合研究所、3. 立命館大学スポーツ健康科学部)
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球技種目では,直線を素早く駆け抜けるだけではなく,効果的に相手を躱したり,ボールなどの動きに応じて進路を変えて疾走する,いわゆる方向転換走が競技パフォーマンスに影響を与える.そのため,方向転換走能力を評価するために多種の評価テストが開発・実施されてきた.しかし,これらのテストが球技選手や指導者のニーズを反映しているかは,定かでない.そこで,本研究では球技経験者および指導者に対して,競技を有利にするうえで重要な方向転換走能力やその評価方法を探索する目的でアンケート調査を実施した.回答者は,球技経験者122名(有効回答:バスケットボール87名,サッカー13名,フットサル3名,バレーボール1名)および指導者22名(有効回答:バスケットボール16名,ラグビー1名,ラクロス1名,フットサル1名,バドミントン1名,野球1名)であった.経験者・指導者ともに95%以上が,競技を有利に進めるうえで,方向転換走能力が重要であると回答した.方向転換前の疾走距離,両群ともに1-2mが約40%,1m未満が25%前後であった.一方,方向転換後の疾走距離について5m以上走るという回答が指導者は0%に対し,球技経験者は約20%であった.攻撃時に,連続的に方向転換する回数について,指導者は3回未満が95%を占めたが,経験者は70%弱にとどまり,6回以上が10%であった.守備時についても3回未満が指導者は90%弱であったが,経験者は60%弱であり,6回以上が約15%であった.以上のことから,球技経験者および指導者ともに,方向転換走能力を重要視し,特に短い疾走距離かつ少ない回数での方向転換に重きをおいていることが明らかとなった.つまり,経験者の中には異なる意見もみられたが,球技選手の方向転換走能力を評価する際は総じて1辺が比較的短い疾走距離にて,複数回の方向転換を伴う内容を求められることが示唆された.

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