講演情報
[07発-口-01]発育発達期のサッカー選手の関節柔軟性に関する検討
*小菅 悠太1、山下 貴司1、藤野 泰成2、権田 雄大2、井上 尊寛1,2、瀬戸 宏明1,2、越智 英輔1,3 (1. 法政大学スポーツ健康学研究科、2. 法政大学スポーツ健康学部、3. 法政大学生命科学部)
【緒言】適度な関節の柔軟性や骨格筋の伸展性を有することはパフォーマンス向上やスポーツ障害を予防する上できわめて重要である。本研究は、発育発達期のサッカー選手の関節柔軟性を測定し、PHV(Peak Height Velocity; 身長の成長速度が最大になる年齢)別及び年齢別にそれぞれ分類したうえで比較検討することを目的とした。【方法】東京都八王子市のサッカークラブに所属する男子40名(13.21±0.69歳)を対象とした。同意取得後に、身長・体重・座高、関節の柔軟性を測定した。関節の柔軟性は、長座体前屈、股関節屈曲角度、膝関節屈曲角度を評価した。得られたデータを推定式にあてはまることでPHVを推定した。PHVをもとに1年より前の選手をPhase1、PHVの1年前からPHVまでをPhase2、PHVからPHVの1年後までをPhase3、PHVの1年後以降をPhase4の4群に分類した。【結果】関節の柔軟性は、膝関節屈曲可動域、股関節屈曲可動域、長座体前屈の全てにおいて年齢による有意差は認められなかった。PHV別の分析では、長座体前屈がPhase4 と比較してPhase3で有意に低値を示した (p=0.008)。加えて、股関節屈曲可動域はPhase4と比較して Phase3で有意に低値を示した (p=0.032)。【結論】本研究の結果から、今回対象とした集団において身長の成長速度が最大になる年齢を迎えてから1年は関節柔軟性が低下する可能性があると結論する。さらに、年齢による評価よりも個人の成熟度を考慮した関節柔軟性の評価が、パフォーマンス向上や障害予防の観点で重要であると推察する。
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