講演情報

[02社-口-16]コロナ禍以降の日本人の身体観の変容雑誌Tarzanの分析を中心に

*田中 安津子1 (1. 九州大学)
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身体観にまつわる研究は、時代の変遷とともに多くなされてきた。健康や身体に関する言説は時代の変化とともに積層的に重なって構成され、社会の時間的、空間的位置が異なれば人々のとらえ方も異なるためである。本研究では現代の健康雑誌において支持を得ている「Tarzan」を分析することにより、コロナ禍以降の日本人の身体観の変容について分析を行った。分析において、東洋的身体観に着目し、それらが雑誌においてどのように記され、語られ、そして日本人の身体観の変容に影響を与えているのか、考察を行った。
 問題の出発点として、コロナ禍以降、現代の社会に蔓延する科学知に基づく健康実践や他者のまなざしに規定される身体観が顕在化してきたことが考えられる。研究の目的は、東洋的身体観をはじめとする地域やその風土思想に基づき知恵として伝承される健康文化の存在が、上記に挙げたような現代の身体にまつわる諸問題に対して、どのように、影響を与えると期待できるか明らかにすることである。
 東洋的身体観をはじめとするそれらの思想的な特徴の影響により、表象としての身体のみならず、実践を伴う身体という観点からの健康の意味合いが、人々の間にも理解されていくことが期待される。

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