講演情報

[05バ-口-01]男性円盤投競技者における手指キネマティクスとリリースパラメータの関係

*永井 千啓1、下門 洋文1、中町 真澄1 (1. 新潟医療福祉大学)
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円盤投は陸上競技の種目の一つであり、一般男子は重さ2㎏の円盤を直径2.5mのサークルと呼ばれる場所から投げられた円盤の飛距離を競う。男子円盤投の日本記録は62mだが、世界記録は74mとその差が10m以上であることから、これを縮めるためにパフォーマンスの向上が求められている。近年、体幹から上肢にかけて増幅されたエネルギーを投擲物に伝達するために、手指の動きが重要であると報告されている。しかしながら、円盤投において手指の動きの細部まで分析した研究は皆無である。本研究では、男子円盤投選手を対象に、親指の位置を変えた際の円盤投リリースパラメータへ与える影響を調査する。実験では、男子大学生円盤投選手10名を対象に、親指位置を変えた4試技(内転、外転、伸展、通常)で最大努力度での投擲を行った。2台のハイスピードカメラ(960 Hz)で撮影し、動作分析を行った。また、投擲後に質問紙による主観的身体感覚を評価した。その結果、すべての試技においてリリース時に示指MP関節が最大伸展し、直後に屈曲する様子が観察された。試技によってリリース速度に違いが見られ、外転時に円盤が安定していると感じていた。しかし、大学生トップレベル選手は、親指外転時のリリース速度が18.98m/sとなっており、通常時に比べて16%低くなっていた。このことから、親指位置を変えることで安定性と飛距離に影響する可能性が示唆された。

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