講演情報

[05バ-口-03]陸上ハンマー投げ動作におけるハンマーヘッド加速メカニズムに対する順動力学的貢献分析による動力学的な検討自励系に着目して

*小池 関也1 (1. 筑波大学)
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スポーツ動作は多くの関節を巧みに動かすことにより生じる高速,高加速度な多関節運動であり,多体系としての動作の生成メカニズムを詳細に分析することは一般に困難である.本研究では,対象とする系の運動方程式を活用することによって,従来明らかにすることが困難であったハンマー投げ動作のハンマーヘッドスピード生成メカニズムについて検討を行った.すなわち,観測された運動がどのようなしくみによって生じているかを明らかにする順動力学的貢献分析を陸上ハンマー投げ動作に適用することによって,この動作の有する強い非線形性に関する力学的な複雑さに対しても,そのしくみについて見通しを立てることを可能としている.具体的には,上肢-ハンマー連成系を剛体3セグメントリンクにより簡易モデル化したのちに,その運動方程式を用いて,順動力学的貢献分析を行った.その際,ハンマー投げについて大きく貢献することがわかっている,遠心力に起因する運動依存項の貢献について,その生成要因までをも定量化した.その結果,エリート競技者においては,予備スウィング局面にて獲得した各種状態量の初期値が,その間接的な効果から,ターン終盤におけるヘッドスピードの主な増加を引き起こしていることが明らかになっている.このような系では,ヘッドスピードの増加は,関節トルク,リンクの近位端での加速度拘束,重力などの任意にその影響を変更できる入力成分によって引き起こされているものではなく,初期状態量による累積的な効果によって引き起こされる現象である自励系の特徴によってスピード生成が行われていることと解釈できる.このため,この自励系に対する検討を行うことによってはじめて,ハンマー投げにおけるヘッドスピード生成メカニズムを明らかにすることが可能となると考えられることから.この分析によりヘッドスピード増加メカニズムについてに検討することとしている.

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