講演情報
[05バ-口-05]慣性センサを用いた3次元姿勢計測と単方向カメラによる補正を用いた2次元関節角度計測
*廣瀬 圭1,2、梶原 和子2、中野 紘志2、小野寺 恵介2,3、宇田 峻也2、竹田 正樹2 (1. 公立小松大学、2. 同志社大学スポーツセンシング研究センター、3. びわこ学院大学)
慣性センサを用いた運動計測は簡易な計測が可能であることから日常動作やスポーツの運動計測・解析への利用が行われている.慣性センサを身体部位や用具に取り付けた際に,運動解析に用いられている関節角度等の情報を得るためには,ドリフト誤差を補正した姿勢推定技術が必要であり,より適切な結果を得るためには取付誤差等についても考慮する必要がある.本研究では,拡張カルマンフィルタを用いた3次元姿勢推定とデジタルカメラを用いたキャリブレーション技術を組み合わせることにより,実際の走行動作における関節角度を簡易かつ適切に得るための方法を開発した.各身体部位(腰,大腿,下腿,足)に取付け位置による制約を設けずに慣性センサシステム(DSP9軸ワイヤレスモーションセンサ,スポーツセンシング社)とポイントマーカーを取り付けた1名のランナーを対象として,トレッドミル上にて停止状態から10秒かけて時速を25 km/hまで直線的に高めた後,その速度を10秒間維持させ,定常走行中のセンサ情報を取得した.同時にトレッドミル横方向からデジタルカメラを用いた撮影を並行して行い, LEDを搭載した同期装置(同期パルス発生装置,スポーツセンシング社)を用いて信号の同期を行った. 慣性センサから得られる姿勢情報に含まれる取付けや座標系の違いによって生じる誤差について,デジタルカメラを用いて算出したポイントマーカーの位置情報を用いた補正法を開発・適用した.本補正法は時速25kmに達する直前の一部の情報に適用した.本方法を用いて得られた2次元関節角度の結果について,デジタルカメラ情報から計算した関節角度の結果との比較,検証を行った結果,取付誤差等が補正され,精度が向上していることを示した.本方法は実際の運動情報かつ一部のデジタルカメラの情報を用いることによって適用可能であることから,簡易な計測・解析が可能である.
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