講演情報

[06経-口-05]スポーツにおける才能をめぐる経営史的研究

*小松 友哉1、関 朋昭2 (1. 鹿屋体育大学大学院、2. 鹿屋体育大学)
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スポーツにおいては、高いパフォーマンスを発揮する可能性を秘めた才能ある人材の発掘は欠かせない。国際的なアスリート育成パスウェイの文脈において、これまでにBloom(1985)のStages of Talent DevelopmentやBalyi and Hamilton(2004)のLong Term Athlete Developmentなどのモデルが確立されてきた。現在では、Gulbin et al.(2013)による科学的根拠に基づいた「FTEMフレームワーク」が諸外国において認知され始めている(衣笠,2019,p.128)。日本においても才能発掘は全国的に展開されている。谷所ほか(2014,p.244)によれば、スポーツタレント発掘育成事業(以下、「TID事業」とする)は「未経験者も含む集団から主観的および客観的評価によって当該競技に必要な資質を持つ人材を選別し、育成を行うもの」である。二戸部・勝田(2010)は、日本各地で推進されているTID事業について、広義のエリート教育と解釈され得るTID事業を教育機関ないしは自治体が行う是非について示唆している。他方、八重樫・勝田(2010,p.194)は事業開始当初の課題のひとつとして「県民への理解」を挙げ、人材や財源、施設の課題を中心として公的な事業の推進に対する困難性を示している。以上のように、スポーツにおける才能発掘とそれに関わる事業の学術的研究には、経営的および史観的視点からのアプローチが求められる。以上、スポーツにおける才能発掘の経営的視点を踏まえて本研究では「なぜ、時に公的な資金や人材、施設などの資源を投じてまでスポーツの才能発掘が行われるのか」という問いの下、スポーツにおける才能発掘の歴史的経緯を経営史の視点に立って考察し紐解くことを目的とする。

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