講演情報
[12人-口-06]ヨーロッパにおける柔道を利用した転倒予防法プログラムに関する研究指導者養成を中心に
*ソリドーワル マーヤ1、曽我部 晋哉2 (1. 津田塾大学、2. 甲南大学)
内閣府の『令和5年版高齢化社会白書』によると、2022年10月1日の時点において日本の65歳以上の人口は総人口の29.0%に達しており(2023: 2)、2027年(令和19年)まで総人口の33.3%まで増加する(2023: 3)と推計されている。また、世界保健機関(WHO)の”Global Report on Falls Prevention in Older Age”によると、65歳以上の人の約28~35%が毎年、転倒すると報告している。また、70才以上になると、毎年、転倒する人の割合が32~42% へと増加するといわれる(2007:1)。近年、ヨーロッパにおける高齢者の転倒事故の予防対策として日本の運動文化である柔道を利用した転倒予防プログラムの開発及び学術的な研究が始まり、数多くの実践例が見られる。2023年11月27~28日,東海大学において14ヵ国の研究者及び柔道専門家が参加した“International Consensus Conference Safe Falling for the Elderly through Judo”(柔道を利用した転倒予防法の国際コンセンサスカンファレンス)が初開催され、柔道を利用した転倒予防に関する学会発表及び情報交換が行われた。今回の報告では指導者育成に注目し、本会議で紹介された“JUDO 4 Balance”(スウェーデン)及びEUのエラスマス+計画に支援された国際プロジェクトである”Educating Judo Coaches for older Practitioners“ (EDJCO)と、ドイツ柔道連盟が開発した柔道体操(TAISO)の分析と比較を行った。現在、柔道を利用した転倒予防における実践例が乏しい日本において独自の転倒予防指導法を開発するための参考としたい。
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