講演情報

[13ア-口-05]我が国における知的障害者の中央競技団体の新たなエリジビリティの導入状況における調査

*井上 明浩1、谷口 広明2 (1. 札幌学院大学、2. 旭川市立大学)
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競技性の高い知的障害者の競技大会の開催や競技人口の拡大を図る国際統括団体として、国際知的障害者スポーツ連盟(以下「Virtus」)がある。Virtusは、4年に1度の夏季総合大会である「グローバルゲームズ」の主催団体であり、2023年夏に、第6回大会となるヴィシー2023Virtusグローバルゲームズ(フランス・ヴィシー市)を開催した。それまでのグローバルゲームズでは、 参加資格(以下「エリジビリティ」)は知的障害であるII1のみであったが、第5回大会から、従来のII1(知的障害)の他にも、新たにII2(モザイク型ではないダウン症などの、知的障害に重複する障害のあるグループ)とII3 ( 発達障害のグループ)が導入され、3区分により競技が開催された。なお 、厳格なエリジビリティ基準が未確立であったため、II3の競技は全て公開競技(非公式)となった。
 大会主催者であるVirtusは,世界の知的障害者スポーツの統括団体として幾度の名称変更を経て,現在の名称となっている。Virtus 発祥の地である欧州では、知的障害者スポーツ関係者であれば,その名称をある程度知っているが,日本においてまだその認知度は高いとは言えない。例えば、日本古来伝統の柔道は、2009 年の第2回大会から公開競技(非公式)として幾度か開催されていたが、直近の第6回大会において初めて公式競技として開催され、 日本も初出場した。一方、日本選手団の選手総数は42名のうち、II2の選手はわずか3名、II3の選手は0名である。
 そこで本研究は、日本選手団として初めてII2の 選手を派遣した中央競技団体(以下「NF」)の状況と、 II2ならびに公開競技(非公式)扱いであるII3の選手派遣を行わなかった NFにおける今後の普及方針または状況を明らかにするものである。

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