講演情報

[03心-口-01]学生アスリートのライフスキルに寄与する心理的要因の検討大学柔道部員を対象として

*藤島 将太1、西田 順一2 (1. 近畿大学大学院商学研究科、2. 近畿大学経営学部)
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アスリートは試合での勝利を目標に据え日々の鍛錬を重ねつつ、部員や指導者等との種々の人間関係を構築し、ライフスキル(以下、LS)を獲得するといえる。LSは、競技レベルや役職経験等により差異があることが示唆されている(島本ほか、2013)ものの、 LSに寄与する心理的要因は限定的である。以上より、本研究では大学アスリートの中でも柔道部員に着目し、「自己調整学習」、「柔道選手の心理的スキル」がLSに与える影響を明らかにすることを目的とした。対象者は関西地区の大学柔道選手315名であった。2023年10月に質問紙調査(基本的属性、「アスリートに求められるライフスキルの評価(島本ほか、2013)」、「スポーツ版自己調整学習尺度(幾留ほか、2016)」、そして「柔道選手の心理的スキル評価尺度(山本ほか、2014)」)を実施した。結果については、まず大学柔道部員におけるLS得点は、標準値に比べ「対人的側面」、「ストレスマネジメント」、「礼儀・マナー」が有意に高かった。次に、自己調整学習の合計得点を高群・中群・低群に区分した。その際、高群は標準値に比べ「個人的側面」の得点が有意に高かった。さらに、 LSの「目標設定」へ自己調整学習の「計画」、「評価・内省」のそれぞれ有意な影響性が認められた。また、同様に「考える力」へ「計画」、「セルフモニタリング」、「評価・内省」のそれぞれ有意な影響性が認められ、さらに、「最善の努力」へ「計画」の有意な影響性が認められた。本研究では、大学アスリートのLSに、自己調整学習や柔道の心理的スキルが寄与する可能性が示された。今後はLSの経時的変化や変化の影響要因について詳細な検討が必要である。

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