講演情報

[10保-KL-1]保健専門領域における研究の進展を期待するマルチレベル分析の活用

*岩井 浩一1 (1. 茨城県立医療大学)
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<演者略歴>
筑波大学体育専門学群卒業、体育研究科修了。財団法人余暇開発センター研究員、大阪大学講師、茨城県立医療大学教授などを経て、現在は茨城県立医療大学特任教授。学位:博士(スポーツ医学)。
マルチレベル分析は、集団レベルで正しいことが必ずしも個人レベルで正しいとは限らないという事実に注目するようになった半世紀以上前にさかのぼる。よく用いられている統計モデルに回帰分析があるが、通常の回帰分析は標本間の独立を前提にしており、データがグループごとにまとまりを見せる場合にはこの前提が成り立たなくなる。このグループごとのまとまりは級内相関(ICC)であり、データがグループごとに集められている場合ICCが存在することが疑われるが、通常の回帰分析ではこのICCを考慮できない。なお、線形混合モデリング(LMM)もマルチレベル分析の同義語である。混合とは、固定効果とランダム効果の両方をもつモデルを意味する。SPSSやSAS、Rなど多くの統計パッケージでは、こちらのLMMの用語を用いて分析を進めているが、マルチレベル分析と同様な手法が扱われている。保健専門領域で扱うデータは学校・クラス・生徒というような階層データの場合や反復測定データなど様々であるが、これらのデータはマルチレベル分析の手法を用いることにより、適切な分析結果を得ることが可能になっている。
 今回のキーノートレクチャーでは、具体的な事例をいろいろ示しながら、マルチレベル分析を用いた応用を図っていく。

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