講演情報
[11教-口-15]体育授業におけるゴール型バスケットボールでのボールを持たないときの動きに着目した教材開発研究
*北澤 陽奈子1、鈴木 康介2 (1. 日本体育大学大学院教育学研究科、2. 日本体育大学)
平成29年告示の中学校学習指導要要領解説保健体育科編では、ゴール型球技において「空間を使う動き」と「空間を作り出す動き」について記載がなされている。このうち、空間を使う動きの習得をねらった教材としてアウトナンバーゲームやフリーゾーンを取り入れたゲームが作成され、その有効性が明らかにされてきた(三本・大庭,2015;鬼澤ら,2012)。一方で、空間を作り出す動きについての教材研究は僅少であり、特に自己と守備者の関係を崩す動きについての教材の有効性は実証的に明らかにされていない。このことから、本研究の目的は中学校ゴール型球技におけるバスケットボールの授業を対象に、空間を作り出す動きに関する教材を作成し、授業実践を通して有効性を検討することとした。そこで本研究では空間を作り出す動きの習得をねらい、ボール保持のドリルゲームや、相手を騙し空間でボールをもらうタスクゲーム、そして4対4で行うメインゲーム等から構成される学習指導過程を作成し、中学校1.2年生の体育授業においてその有効性の検証を試みた。分析方法はゲームパフォーマンス分析をもとにして毎時間のゲーム中の生徒の動きを分析したほか、形成的授業評価を使用し、生徒の授業評価を検討した。研究の結果、生徒のゴールに走りこむ動きや自己と守備者の関係を崩す動きが増えていくことが分かった。だが、実際に本研究で作成した種々の教材を行う時間や空間の動きについて考える時間が少なかったため、教師の発問を用いて児童にボールを持たないときの動きについて考える時間を増やすことが必要であると考えられた。さらに、タスクゲームではゴール方向の動きに発展させていく必要があること、ハーフコートでの4対4ではボールを持たないときの動きをする空間が狭くなってしまっていたため、ドリルゲームと繋がりを持たせたハーフコート3対3に変更する必要があると考えられた。
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