講演情報
[11教-口-20]小学校低学年を対象にしたボール蹴りゲーム教材の学習成果に関する研究児童の「ボールを持たないときの動き」に着目して
*松本 健太1、渡辺 高康2、竹内 孝文3、長岐 大4 (1. 福島大学、2. 横浜保育福祉専門学校、3. 尚絅学院大学、4. 福島大学附属小学校)
【背景】2008年告示の小学校学習指導要領解説体育編(以下、要領解説)におけるゲームおよびボール運動領域では、身につけさせたい技能として「ボール操作」と「ボールを持たないときの動き」が明示され、現行の要領解説においてもこれらは踏襲されている。その中でサッカーを基にした教材に関する先行研究(例えば、村井・荻原、2021)では、主に「ボール操作」のゲームパフォーマンス分析を通して効果が検証されてきた。一方で「ボールを持たないときの動き」に関する先行研究の蓄積は浅く今後も検討の余地がある。これまでボール運動ゴール型の授業においては、児童のゲームパフォーマンスを最大限に伸ばすために「ボールを持たないときの動き」の指導が重要であると述べている(グリフィンら、1999)。また現行の学習指導要領では、「ボールを持たないときの動き」は中学年以降の学習内容として記載されているが、低学年から中学年への接続を踏まえれば、低学年段階での「ボールを持たないときの動き」に関する学習について検討することは意義があると考える。【目的】本研究では、小学校低学年(2年生)を対象としたボール蹴りゲームの単元を通して「ボールを持たないときの動き」が向上するのか検討する。【方法】対象者は、福島県内のA小学校に在籍する2年生26名であった。対象授業は、2023年10月に実施された。毎時間のメインゲームを撮影し、ゲームパフォーマンス(パス技能、トラップ技能、サポート技能)について先行研究を参考に作成した観察的評価基準表を用いて分析をした。さらにゲームパフォーマンスの単元はじめ、おわりの変容を検討するためにχ²検定を行なった。【結果】パス技能およびトラップ技能の成否について、有意な差はみられなかった。サポート技能の成否については有意な差がみられた(χ²=5.564,p<.05)。
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