講演情報
[02社-口-23]学校体育におけるメディア利用に関する研究1960年代から70年代のVTRという技術に着目して
*小石川 聖1 (1. 早稲田大学スポーツ科学研究科)
本研究は、体育の中でメディアが利用される際に、そのメディアに何が期待されるのかを明らかにすることを目的とする。近年、文部科学省の公開資料を見ても、ICT(Information and Communication Technology)の活用が体育・保健体育科において進んでいることが確認できる。この動向をふまえ、本研究では、体育でのメディア利用という視点から、1960年代から70年代にかけてのVTR(Video Tape Recorder)に着目する。
ICTとVTRは、必ずしも同質な対象として扱うことはできない。一方で、ICT活用の一部として動画の反復的な視聴や撮影が含まれており、過去のメディアであるVTRの活用とも共通点があるのではないか。この意味で、1960年代から70年代の学校体育におけるVTRは、現代的なメディアとも比較できる対象として重要な意味を持つと考えた。
体育に限らず、1960年代から70年代の「放送教育」においては、学校における視聴覚機器の利活用が検討されていた。放送教育の年史をみると、微細ながら体育での使用方法に関する言及を確認できる。一方で、当時の体育雑誌をみると、少なからず視聴覚機器利用に関する議論が起こっていたことを確認できる。
以上の問題・関心を、2つの分析作業から明らかにしたい。第一に1960年代から70年代にかけての放送教育の動向を抑えたい。中でも、当時は「新しい」技術として、社会的にも普及過程の最中にあったVTRに何が期待されていたのかを明らかにしたい。第二に、そうした文脈を意識しつつ、当時の体育雑誌を資料とすることで、学校体育の場合にVTRの利活用の効果と問題点について何が議論されていたのかを明らかにしたい。分析の資料としたのは、文部省体育局関係者や体育研究者がVTRに関して言及した記事、および学校での授業実践の記録である。
ICTとVTRは、必ずしも同質な対象として扱うことはできない。一方で、ICT活用の一部として動画の反復的な視聴や撮影が含まれており、過去のメディアであるVTRの活用とも共通点があるのではないか。この意味で、1960年代から70年代の学校体育におけるVTRは、現代的なメディアとも比較できる対象として重要な意味を持つと考えた。
体育に限らず、1960年代から70年代の「放送教育」においては、学校における視聴覚機器の利活用が検討されていた。放送教育の年史をみると、微細ながら体育での使用方法に関する言及を確認できる。一方で、当時の体育雑誌をみると、少なからず視聴覚機器利用に関する議論が起こっていたことを確認できる。
以上の問題・関心を、2つの分析作業から明らかにしたい。第一に1960年代から70年代にかけての放送教育の動向を抑えたい。中でも、当時は「新しい」技術として、社会的にも普及過程の最中にあったVTRに何が期待されていたのかを明らかにしたい。第二に、そうした文脈を意識しつつ、当時の体育雑誌を資料とすることで、学校体育の場合にVTRの利活用の効果と問題点について何が議論されていたのかを明らかにしたい。分析の資料としたのは、文部省体育局関係者や体育研究者がVTRに関して言及した記事、および学校での授業実践の記録である。
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