講演情報

[14介-口-03]成人の交通行動とBMIによる肥満区分との関連

*久保田 晃生1 (1. 東海大学)
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日々の習慣的な交通行動で身体活動を促進することは、一つの方法である。交通行動は、どこからどこへ、どのような手段で、どの程度の時間で移動するか等、人々の交通(移動)に関する行動である。一方、交通行動は、欧米諸国を中心に健康との関連を示す研究が報告されているが、日本では交通行動と健康との関連を示す研究は少ない。これは、日本の交通行動のデータは、都市計画の策定等に役立てることが中心であり、健康関連のデータを合わせて収集することが無いことにも関連する。そこで、本研究では、地域在住成人の交通行動を把握し、合わせて身長と体重のデータからBMIを算出して、活動的な移動や非活動的な移動との関連を性別年代別に検討した。調査はインターネット調査会社を介したWeb調査とした(2022年実施)。対象者は、インターネット調査会社の登録モニターの1,000名(20・30・40・50・60歳代の男女各100名)とした。調査項目は、基本属性のほか、平均的な1週間における各交通行動(徒歩、自転車、自動車、公共交通機関)の状況と、身長と体重を把握した。分析は、各交通行動から先行研究に基づき活動的な移動群と非活動的な移動群の状況を把握した。また、BMIの値が25㎏/m2以上の肥満群と25㎏/m2未満の非肥満群に分類した。その後、相互の関連を性別・年代別で検討した。結果、肥満群は男性26.7%、女性14.3%であった。また、性別年代別の分析では、肥満区分と活動的な移動や非活動的な移動の状況とに有意な関連は認められなかった。今回の分析対象者では肥満の割合が、日本人のデータや欧米諸国のデータよりも低く、差が生じにくかった可能性もある。また、本研究では交通行動とBMIによる肥満区分のみ解析したが、より多くの健康データとの関連を検討することも必要である。

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